批評家としての活動

門 行人は舞踊批評家です。現在の主な寄稿先は次のとおりです。

  • 週刊オン★ステージ新聞 : 年間購読者に毎号郵送される新聞ですが、チャコットなどでは一部売りもしています。東京文化会館の音楽資料室などでも閲覧できます。
  • 株式会社ビデオWebサイト「DANCING × DANCING」の「ダンスレビュー」欄
  • ブリタニカ国際年鑑の「舞踊」欄 : 前年度の舞踊界に関する回顧記事です。欧米については国際版の執筆者の記事を抄訳し、国内については書き下ろしています。欧米の状況がある程度わかるので有益です。高価ですが図書館で閲覧できます。毎年、初夏頃に納入されるようです。

  • 過去の寄稿先には、「アサヒグラフ」(雑誌)、「Danceart」(雑誌)、「バレリーナへの道」(雑誌)、「バレエって何」(ムック。旧版)、「踊る人に聞く」(書籍。コラム1本と記事作成)などがあります。

コンクール審査員は積極的にはお引き受けしていませんが、過去に、「ダンスがみたい新人シリーズ」(2008)、「ダンスクリエーションアワード」(第1回)、座間全国舞踊コンクール(第1回)、埼玉全国舞踊コンクール(2014)の審査員を務めました。

メニュー説明

上部メニューのリンク先について説明します。いずれも新しいタブまたはウィンドウで開きます。

  • ダンス系公演カレンダー
    下記「首都圏ダンス系公演一覧」をGoogleカレンダーにしたものです。各公演に関する情報は一部省略しています。興味のある公演をクリックして自分のGoogleカレンダーに取り込むと便利です。iCalでご覧になりたい場合はこのリンクを使用してください。
    スマホからはGoogleカレンダーのアプリを利用すると見やすいと思います。スマホでこのカレンダーを表示するには、まずブラウザでgoogleの自分のアカウントにログインし、上記カレンダーを表示して、右下隅の「+Googleカレンダー」ボタンをクリックし、「はい、このカレンダーを追加します」を選択します。これで、スマホのGoogleカレンダーアプリを開いたときに、このカレンダーに登録されている予定が表示されます。
    このカレンダーの予定の表示/非表示を切り替えるには、左上の「三」をクリックすると、アプリ内に表示されるカレンダーが列記されますので、カレンダー名の前にある、色の付いた四角いボタンをタップします。
  • 首都圏ダンス系公演一覧
    そこそこ網羅的だと思いますが、誤りが含まれていることもあるので、必ず確認してください。
  • 公演情報ブログ
    上記に基づいて、見る公演を選択する助けになるような情報をまとめていますが、更新はかなり不定期です。
  • 観劇記
    放言ブログです。見たもののほとんどについて一言していた時期もありましたが、最近は更新がまれになっています。

ざっくばらんな公演情報と率直な批評の必要性 ―― 批評についての私の考え

ダンスは、多くの人が見て楽しみ、それぞれの人生を豊かにするために役立てられるものだと思います。ですが、現状では、それほど多くの人がダンスから益を得ているとは言えません。このもったいない状況を改善するためには何が必要でしょうか。

今までダンスに縁もゆかりもなかった人はもちろん、しばらく海外にいた人やダンスから離れていた人にとっても、「何を見たらいいかわからない」というのは切実な問題です。巷にあふれる情報を見ると、どの公演も決して見逃せない大傑作のように思えますが、実際に見に行くと期待と大きくずれていることも多く、それがダンス公演から人を遠ざける原因の一つになっています。
「誰か事情に詳しい人が、各公演がだいたいどういう感じのものになりそうか、ざっくばらんに教えてくれないものか」―― これは私自身、ダンスを見始めた頃に痛切に思ったことであり、今なお他分野(演劇、音楽など)についてよく思うことでもあります。私が批評活動と同等以上に公演情報の提供を重視するのは、そうした理由からです。

もう一つ必要なのは、率直な批評です。初めてダンスを見に行ったら、大しておもしろくなかった。ありがちなことです。見慣れた人はダンスを楽しむ視角をいくつも持っていますが、見始めの頃はそんなわけにもいきませんし、値段だけ高くて本当につまらない公演も少なくないのですから。
しかし、一回見てつまらなかったからと言って、そのジャンルを見限る人はそれほどいません。「たまたまつまらないのに当たっただけかもしれない」と考えるのが普通です。ところが、その後目にした批評で、その公演が世紀の傑作のように褒めそやされていたらどうでしょうか。その人は「ダンスではああいうのがいい公演なのか。それなら自分にはダンスは一生わからないな」と思い、二度とダンス公演に足を運ばなくなるでしょう。これはダンスを見せる側にとっても、新しい観客を失うという意味で不幸ですし、見る人の側にとっても、ダンスから裨益される可能性を失うという意味で不幸なことです。

大しておもしろくもないものを、むやみやたらに持ち上げるのでない、率直な批評が必要です。もちろん、見始めの人が楽しめなかったからと言ってダメな公演だったとは限りません。ですが、見始めの人も含めて誰もが圧倒されるようなものすごい公演から、誰もがつまらないと思う公演まで、グラデーションがあるわけですから、そのグラデーションのどこに位置するかがわかるように書くことはできるはずです。それなら、見始めの人も、自分がなぜ、どういう点で楽しめなかったのかある程度納得し、ダンスの中に何かを探す旅路を続行してくれることでしょう。

率直な批評が少ないのはなぜなのか。それは舞踊評が一般人向けには書かれないからです。舞踊関係者の利害を考えて筆を慎む人がいないと言うつもりもありませんが、それでなくとも、舞踊はマイナーなジャンルなので、舞踊評を読むのは最初からダンスが好きな人が大半なのです。その人たちは自らが愛するものに多くのお金と少なからぬ手間をかけるわけですから、その犠牲を肯定してくれる批評、愛する対象を褒めてくれる批評を求めます。批判なんて必要としていません。そのようにして、ダンスはどんどん、外部からうかがい知れない世界に閉じ込められていきます。

実際、一般社会はダンスを一部の人だけのための芸術と思っています。だから「もっと助成してください」「劇場を閉鎖しないでください」と言ってもまともに相手にされないのです。閉ざされた世界に心地よく浸っていたいならそれも結構。ですが、ダンスを一般社会に向けて開いていきたいなら、一般社会にも通じる言葉の使い方を探す必要があります。それは内輪だけに通じる甘い言葉であるはずがありません。ですが、身一つで観衆に向かい合う舞踊という芸術にとっては、その方が似つかわしいようにも思えます。

閉ざされた世界に安住する方を選ぶか、一般社会に開かれる方を選ぶかは、舞踊関係者と舞踊の観客が選択することであり、どちらがいいということはありません。ですが、両方のいいとこ取りはできないということだけは押さえておく必要があります。

私は、なるべく一般の人に向けて書きたいと思っています。一般人向けに書く唯一の舞踊批評家と言っても過言では……まあ過言ですけど、だいたいそんな感じです。

プロフィール

  • 名前の読み方は、一応「かど ゆきと」ということにしています。私を専修大学教授で舞踊評論家の貫 成人(ぬき しげと)氏と間違える方がいらっしゃいますが、別人です。
  • 一般に公開しているメールアドレスは yukito_kado[at]yahoo.co.jp です。用事がある方はお気軽にご連絡ください。用事がない方はよく考えてから。
  • 大学では哲学を専攻しました。舞踊批評は1994年から執筆しています。その他に翻訳者の顔もありますが、それについてはまたいずれ。
  • 舞踊批評家協会賞の表彰式に出席することは(まれに)ありますが、同協会には、過去も現在も一度も所属していません。
  • 日本ダンスフォーラム賞の表彰式に出席することは(まれに)ありますが、同フォーラムには、過去も現在も一度も所属していません。

SNS

SNSは字数などに制約があるので、基本的にはまともな批評や議論はできないと考えています。遊び、放言の度合いがきわめて高いものとお考えください。
twitter
Facebook : こちらはほぼ休眠状態です。

付録

試験運用:ダンスバレエ関係訳語集